憧れのカンテガ(Kangtega)に登りました。
エベレス街道からいつも眺めていたカンテガ。タムセルクとつながっていてどちらもかっこいい。
1979年に山学同志会が両峰の北壁に別々の隊で挑戦。カンテガに登頂成功している。
過去44人の登頂者しか記録(HIMALAYAN DATABASE)になく、もちろん日本人は1979年の2人(4人の隊)しか頂上を踏んでいない。
カンテガ初登頂は1963年。あのエベレスト初登頂者のサーエドモント・ヒラリーの隊による。登頂ルートはおそらくアイスフォールを辿るものだったに違いない。その後、北壁や北東稜などのテクニカルルートに挑戦した先鋭クライマーの記録はあるが東面ルートの記録は見当たらない。

2014年にメラピークに登った時に目にした南側からのカンテガに、比較的優しいルートからの登頂を予感させるものがあったのだが、肝心のアイスフォールの情報がまったく無かった。ネット検索した結果、私が通うつくばのクライミングジム「スポーレ」の店長ティミー(青木達也氏)がカンテガ北壁をチャレンジしていることを知り、アイフフォールの写真を見せてもらうことができた。こりゃダメかも、というのが写真を見た感想だった。

世界で2番目の第二セカンドセブンサミッツを終えたばかりの仙波さんは、そんな不確定さにはお構いなくカンテガ挑戦に同意してくれた。
結果、めでたく登ることができた。単純に非常に嬉しい。仙波さん、ありがとうございました。そしてシェルパのナムギェル、ワンディー、ありがとう。
ベースキャンプから眺めているだけで指令を出すだけの「隊長」になり下がらなかったことに少し安堵してます(笑)
登頂日:2019.10.18
仙波・倉岡・ナムギェル・ワンディー

秋も深まりつつあった

Tangnak(4300m)は羊天国であったがロッジのメニューには羊🐐はなかった。涙

メラピークのベースの村となるカーレからカンテガBCまでは氷河脇のサイドモレーンを辿る。朝飯前仕事の距離だがBC手前のがれ場が要注意。

高度順応でメラピークに登る。メラからはカンテガ上部がよく見えるが、肝心のアイスフォールは見えない。
2014年に目をつけるがアイスフォールの情報は直前まで無かった。

メラピークより見たカンテガ南面。手前の山に遮られてアイスフォールは見えない。右はCho-Oyu(8201m)。左はカンテガ第2峰。

カンテガ東面とアイスフォール。アイスフォールはエベレストのクンブーアイフフォールに劣らないスケールだ。ジュラルミンラダーとマンパワーが必要だろう。

カンテガアイスフォール

東面ルート。左上する滑り台をTHE SLIDEと名付けた。BCから3泊4日のワンプッシュで頂上往復できたのは運が良かったのと屈強なシェルパのおかげだ。

快適だが上からの落石に不安を拭えないBC(5100m)。今回はカラス以外に生き物には会わなかった。静かなキャンプ。

THE SLIDE 上部。雪質はグラニュー糖。「キノコ雪が美しかった」などと思えるはずもなく。

アイスフォールの取り付きにて。

C1(5700m)

C2(6100m)付近よりアマダブラムとエベレスト。一直線に並んでる。やはりエベレストはでかい。

登頂日前日C2付近より、エベレスト、ローツェ南壁、アマダブラムを望む。天気は下り坂だ。

THE SLIDE上部。左のでかいキノコ雪をC2とする。

10/18登頂日。
プラトーまで60mロープであと2ピッチ。

C2を見下ろす。

プラトーに出るところ(6300m)。高峰にチャムラン(7319m)。

プラトーを行くナムゲルとワンディー。ついて行くのがやっと。

プラトーの仙波さん。後ろはキャシャール(左)とクスムカングル(右)

最後の雪壁

頂上稜線に出る

頂上稜線の仙波さん。アイスフォール上部が見える。あのクレバス群は無理だったかな。

あと少し

カンテガ2峰(中央)とタムセルク(左)

頂上稜線のシェルパ達

頂上での仙波さん、NAMGYEL, WANGDI SHERPA。後ろはアマダブラム。エベレストは雲の中に隠れてました。

ありがとうございました(^^)

下降中。マカルーの夕陽が綺麗でしたが、原爆曇が悪天が近いことを語ってますね。