2025春のエベレストは早い登頂となりました。5/14日本人3名、シェルパ3名登頂、シェルパ2名サウスコル待機とサポート。北西からのやや強い風(風速10-13m/秒)、快晴のち降雪。強風の天気予報の中、かなりピンポイントの風の弱まる時間帯をついての登頂となりました。その日の登頂者数はシェルパも入れて50名程度と渋滞の無いコンディションとなりました。(猪熊気象予報士に感謝)
アイスフォールの状態
コロナ明けの2023年から3年連続のネパール側からの登頂となりました。温暖化のためなのか、概ねアイスフォール全体が沈んでるように思います。標高5350mと言われているトレッキングのゴール地点の実際の標高は5250m程度と、以前より100m低くなっています。昨年建てられた木製の看板ですが、トレッキングゴール地点の象徴である巨石が崩れたため、駆逐されました。(元の自然な景観を取り戻しました)
今年はアイスフォールの序盤戦、右端のヌプツェ側から岩場を登り、そこからは左上して「ポップコーン」に出るラインで、2023,2024とは大きく異なりました。急峻な箇所は3箇所しかなく、噂されていた横5連梯子もありませんでした。毎年アイスフォールは楽になってきています。ちなみに「ウエスタンクーム」も概して穏やかな氷河歩行に終始しました。無風時の暑さは相変わらずですが!
オンディマンドシステム
今回特筆すべき酸素器具のアップデートがありました。2013年からテストを重ねてきた「オンディマンド」システムでエベレスト山頂に到達。必要酸素量が大幅に軽減されました。残念ながら、我々日本人はバルコニーから先は通常の「サミットシステム」に替えての登頂となりました。デスゾーンの後半、8500m以上いでは依然従来のシステムがより有効との感想を得ましたが、カニューラから改良マスクに変える事でより良い成果は得られるのではないかと思います。今後の開発が待たれます。(今回このシステムを利用したのは我が隊のみとなりました。)
「キセノンガス」と速攻登山
オンディマンドシステムとは別に、「キセノンガス」を使った速攻登山も行われました。
詳細は今後の発表が待たれるところです。